○山添村職員のハラスメントの防止等に関する規則
令和4年11月14日
規則第9号
(目的)
第1条 この規則は、ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題に関し、雇用管理上必要な措置について必要な事項を定めることにより、人事行政の公正の確保、職員の利益の保護及び快適な職場環境の確保を図ることを目的とする。
(1) 職員 山添村に任用されている全ての職員をいう。
(2) 職場 職員が職務に従事する場所をいい、出張先その他の職員が通常職務に従事する場所以外の場所及び親睦会の宴席その他の実質的に職務の延長線上にあるものを含むものとする。
(3) ハラスメント 次に掲げる言動をいう。
ア セクシュアル・ハラスメント(職場における他の者を不快にさせる性的な言動及び職場外における他の職員を不快にさせる性的言動をいう。)
イ 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント(妊娠等の事由に関する言動又は妊娠等に関する制度若しくは措置の利用に関する言動であって、職員の勤務環境を害するものをいう。)
ウ パワー・ハラスメント(職務上の地位若しくは権限又は職場における優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、継続的に他の職員の人格や尊厳を侵害し、精神的若しくは身体的な苦痛若しくは不快感を与え、又は勤務環境を害する言動をいう。)
(4) ハラスメントに起因する問題 ハラスメントのため職員の勤務環境が害されること及びハラスメントへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けることをいう。
(村長の責務)
第3条 村長は、ハラスメントの防止及び排除に努め、そのための方針及び施策を確立し、及び推進し、職員がその能率を十分に発揮できるような職場環境の確保に努めなければならない。
2 村長は、ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に処理しなければならない。
(所属長の責務)
第4条 所属長は、良好な勤務条件を確保するため、日常の執務を通じた指導等によりハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。この場合において、第8条に規定する苦情相談、当該苦情相談に係る調査への協力その他ハラスメントに対する職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けることがないようにしなければならない。
(職員の責務)
第5条 職員は、次条第1項の指針に定めるところに従い、ハラスメントを行ってはならない。また、村長が講ずる措置に協力するよう努めなければならない。
(職員に対する指針)
第6条 村長は、ハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項、ハラスメントに起因する問題が生じた場合において職員に望まれる対応等について、指針(別紙1)を定めるものとする。
2 村長は、職員に対し、前項の指針の周知徹底をはからなければならない。
(研修等)
第7条 村長は、ハラスメントの防止及び排除を図るため、職員に対し、必要な研修等を実施するものとする。
(相談窓口の設置)
第8条 村長は、職員からのハラスメントに関する苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)に対応するため、総務課に相談窓口を設置する。
2 窓口の開設時間は、月曜日から金曜日まで(閉庁日を除く。)の午前8時30分から午後5時15分までとする。
(苦情相談の申出人等)
第9条 苦情相談に当たって、ハラスメントを受けた職員は、他の職員を同席させることができる。
2 苦情相談は、ハラスメントによる直接の被害を受けた職員だけでなく、他の職員も申し出ることができる。
3 苦情相談は、ハラスメントが生じている場合だけでなく、ハラスメントを未然に防止する観点から、その発生のおそれのある場合又はハラスメントに該当するか不明な場合についても申し出ることができる。
4 相談の申出は、面談、手紙、電話、電子メール、FAX等その手法を問わないものとする。
(苦情相談への対応)
第10条 村長は、相談窓口に苦情相談を受ける職員(以下「相談員」という。)を配置するものとする。
2 相談員は、職員のうちから村長が任命する。
3 苦情相談は、少なくとも2名以上の相談員をもって対応するものとする。
4 相談員は、苦情相談を行った職員等から事情を聴取し、苦情相談に係る問題の事実関係の確認、当該苦情相談に係る当事者に対する指導、助言、必要なあっせん等を行うとともに、その内容について当該職員に同意を得た上で相談記録票(様式第1号)に記録し、速やかに総務課長に提出するものとする。この場合において、相談員は、苦情相談の対応について定める指針に十分に留意しなければならない。
5 総務課長は、前項の規定による提出を受けたときは、その内容を確認し、必要に応じて当事者及び関係者から事情を聴取し、事実の確認及び苦情相談の解決を図るものとする。総務課長に対して直接苦情相談があった場合も、同様とする。
(山添村ハラスメント処理委員会)
第11条 苦情相談の適切かつ公正な解決を図るため、山添村ハラスメント処理委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、次に掲げる事項を所掌する。
(1) 苦情相談について当事者及び関係者から事情聴取を行い、事実関係の調査を行うこと。
(2) 苦情相談の解決方法を審議し、その結果に基づき、関係者に必要な指導、助言等をし、及び関係課等に必要な指示をすること。
(3) 当事者の利害調整を図ること。
(4) 調査審議した結果について苦情相談を行った職員に通知するとともに、村長に報告すること。
3 委員会の委員は、山添村職員安全衛生管理規則(平成元年3月山添村規則第3号)第9条第2項に規定する衛生委員会委員とする。
4 委員会に委員長を置き、安全衛生委員会委員長をもってこれに充てる。
5 委員長は、会務を総括し、委員会を代表する。
6 委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。
7 委員会の会議は、委員長が招集し、その議長になる。
8 委員会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。ただし、次項に規定する除斥により過半数に満たない場合は、この限りでない。
9 審議する案件に直接の利害関係を有する委員があるときは、当該案件の審議から除斥するものとする。
10 委員会は、必要に応じ、委員会に委員以外の者の出席を求め、その意見若しくは説明を聴き、又は、必要な資料の提出を求めることができる。
11 委員会の会議は、公開しない。
12 委員会の庶務は、総務課において処理する。
(対応措置)
第12条 村長は、第10条第7項の規定による報告又は山添村ハラスメント処理委員会による調査審議の結果の報告によりハラスメントの事実を確認したときは、行為者の職員に対し、必要かつ適切な範囲で懲戒等の処分を講ずるものとする。
(プライバシーの保護)
第13条 相談員、委員会の委員その他苦情相談の解決に関与する職員は、当事者及び関係者のプライバシーの保護を徹底し、苦情相談を行った職員が当該苦情相談又は委員会での審議を希望したことにより不利益を受けることがないよう配慮しなければならない。
(秘密の保持等)
第14条 相談員、委員会の委員その他苦情相談の解決に関与する職員は、職務上知り得た当事者及び関係者の秘密を漏らしてはいけない。その職を退いた後も、同様とする。
(その他)
第15条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、村長が別に定める。
附則
この規則は、公布の日から施行する。
(別紙1)
ハラスメントをなくすために職員が認識すべき事項についての指針
第1 ハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項
1 意識の重要性
ハラスメントをしないようにするためには、職員の一人ひとりが次の事項の重要性について十分認識しなければならない。
(1) お互いの人格を尊重し合うこと。
(2) お互いが大切なパートナーであるという意識を持つこと。
(3) 相手を性的な関心の対象として、また劣った性として見る意識をなくすこと。
2 基本的な心構え
職員は、ハラスメントに関する次の事項について十分認識しなければならない。
(1) 性に関する言動に対する受け止め方には個人間や男女間で差があり、セクシュアル・ハラスメントに当たるか否かについては、相手の判断が重要であること。
(2) 良好な人間関係を構築するには相手の人格の尊重と相手方の立場に立った行動をとることが重要であり、職務上の権限や地位等を利用して人格的な支配を行ったり、心理的圧迫や身体的苦痛を与えたりしてはならないこと。
(3) 相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないこと。
(4) ハラスメントであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないこと。ハラスメントを受けた者が、職場の人間関係等を考え、拒否することができないなど、相手からいつも明確な意思表示があるとは限らないことを十分認識する必要がある。
(5) 職場におけるハラスメントにだけ注意するのでは不十分であること。
例えば、職場の人間関係がそのまま持続する歓迎会の酒席のような場において、職員が他の職員にハラスメントを行うことは、職場の人間関係を損ない勤務環境を害するおそれがあることから、勤務時間外におけるハラスメントについても十分注意する必要がある。
(6) 職員間のハラスメントにだけ注意するのでは不十分であること。
行政サービスの相手方など職員がその職務に従事する際に接することとなる職員以外の者及び委託契約又は派遣契約により同じ職場で勤務する者との関係にも注意しなければならない。
3 ハラスメントになり得る言動
ハラスメントになり得る言動として、例えば、次のようなものがある。
(1) セクシャル・ハラスメント
ア 性的な関心や欲求に基づく内容の発言及び行動
イ 性別により差別しようとする意識等に基づく内容の発言及び行動
(2) パワー・ハラスメント
特定の部下を標的に執拗で無理な要求をする。
(3) モラル・ハラスメント
ア 肉体的苦痛を与える。
イ 精神的苦痛を与える。
4 懲戒処分
ハラスメントの態様等によっては、信用失墜行為、住民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当して、懲戒処分に付されることがある。
第2 職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために認識すべき事項
勤務環境はその構成員である職員の協力の下に形成される部分が大きいことから、ハラスメントにより勤務環境が害されることを防ぐため、職員は、次の事項について、積極的に注意を払うように努めなければならない。
1 職場内のハラスメントについて問題提起する職員をいわゆるトラブルメーカーと見たり、ハラスメントに関する問題を当事者間の個人的な問題として片づけないこと。
職場におけるミーティングを活用することなどにより解決することができる問題については、問題提起を契機として、良好な勤務環境の確保のために皆で取り組むことを日ごろから心がけることが必要である。
2 職場からハラスメントに関する問題の加害者や被害者を出さないようにするために、周囲に対する気配りをし、必要な行動をとること。
具体的には、次の事項について十分留意して必要な行動をとる必要がある。
(1) ハラスメントが見受けられる場合は、職場の同僚として注意を促すこと。
(2) 被害を受けていることを見聞きした場合には、声をかけて相談に乗ること。
3 職場においてハラスメントがある場合には、第三者として気持ちよく勤務できる環境づくりをするうえで、上司等に相談するなどの方法をとることをためらわないこと。
第3 ハラスメントに起因する問題が生じた場合において職員に望まれる事項
1 基本的な心構え
職員は、ハラスメントを受けた場合にその被害を深刻にしないために、次の事項について認識しておくことが望まれる。
(1) 一人で我慢しているだけでは、問題は解決しないこと。
(2) ハラスメントに対する行動をためらわないこと。
2 ハラスメントによる被害を受けたと思うときに望まれる対応
職員は、ハラスメントを受けた場合には、次のような行動をとるよう努めることが望まれる。
(1) 嫌なことは相手に対して明確に意思表示をすること。
(2) 信頼できる人に相談すること。
(別紙2)
ハラスメントに関する苦情相談に対応するに当たり留意すべき事項についての指針
第1 基本的な心構え
職員からの苦情相談に対応するに当たっては、相談員は、次の事項に留意する必要がある。
1 被害者を含む当事者にとって適切かつ効果的な対応は何かという視点を常に持つこと。
2 事態を悪化させないために、迅速な対応を心がけること。
3 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。
第2 苦情相談の事務の進め方
1 苦情相談を受ける際の相談員の体制等
(1) 苦情相談を受ける際には、なるべく二人の相談員で対応すること。
(2) 苦情相談を受けるに当たっては、なるべく同性の相談員が同席するよう努めること。
(3) 相談員は、苦情相談に適切に対応するため、相互に連携し、及び協力すること。
(4) 実際に苦情相談を受けるに当たっては、その内容を相談員以外の者に見聞きされないよう周りから遮断した場所で行うこと。
2 相談者から事実関係等を聴取するに当たり留意すべき事項
苦情相談を行う職員(以下「相談者」という。)から事実関係等を聴取するに当たっては、次の事項に留意する必要がある。
(1) 相談者の求めるものを把握すること。
(2) どの程度の時間的な余裕があるのかについて把握すること。
(3) 相談者の主張に真摯に耳を傾け、丁寧に話を聴くこと。
(4) 事実関係については、次の事項を把握すること。
ア 当事者(被害者とされる職員及び加害者とされる者をいう。以下同じ。)間の関係
イ 問題とされる言動が、いつ、どこで、どのように行われたか。
ウ 相談者は、加害者とされる職員に対してどのような対応をとったか。
エ 監督者等に対する相談を行っているか。
なお、これらの事実を確認する場合、相談者が主張する内容については、当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者はいるのかを把握する。
(5) 聴取した事実関係等を相談者に確認すること。
(6) 聴取した事実関係等については、必ず記録しておくこと。
3 加害者とされる者からの事実関係等の聴取
(1) 原則として、加害者とされる者から事実関係等を聴取する必要がある。ただし、ハラスメントが職場内で行われて比較的軽微なものであり、対応に時間的な余裕がある場合などは、監督者の観察、指導による対応が適当な場合も考えられるので、その都度適切な方法を選択して対応する。
(2) 加害者とされる者から事実関係等を聴取する場合には、加害者とされる者に対して十分な弁明の機会を与える。
(3) 加害者とされる者から事実関係等を聴取するに当たっては、その主張に真摯に耳を傾け、丁寧に話を聴くなど、相談者から事実関係等を聴取する際の留意事項を参考にし、適切に対応する。
4 第三者からの事実関係等の聴取
職場内で行われたとされるハラスメントについて、当事者間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合などは、第三者から事実関係等を聴取することも必要である。
5 相談者に対する説明
苦情相談に関し、具体的にとられた対応については、相談者に説明する。
第3 問題処理のための具体的な対応例
相談員が苦情相談に対応するに当たっては、次のような対処が方策として考えられる。
(1) 職員の監督者等に対し、加害者とされる職員に指導するよう要請する。
(2) 加害者に対して直接注意する。
(3) 被害者に対して指導し、又は助言する。
(4) 当事者間のあっせんを行う。
(5) 人事上必要な措置を講じるため、人事当局との連携をとる。